サクマドロップス



*



彼は水泳部に所属しているらしく、

弟の真弘と同じでスポーツマンだった。


水泳部…
夏場は屋外。

冬場は屋内だから、

肌の色もコロコロ変わるのか…



私は一人納得した。



褐色に焼けた肌。
引き締まって筋肉質なからだ。


そして端正な顔立ち。



ジャージ姿でも、



好きな人はカッコいい…




「…素敵ですね。」



彼の肉体美を見るだけで、どれだけ努力しているのかが、


よくわかって、



自然と誉め言葉を述べていた。


だけど、


「ちょ…それ無意識?」


「……え?」



彼から出た言葉はだいぶずれた返答で、


頭のなかがハテナマーク一色になった。


だけど


彼は熱を帯びた目で私を見るから、



伝染するかのように顔に熱が集中して



脳みそが溶けてしまいそう。



話せてるだけで…


満足しないとイケないのに、


私はもっと もっと…


彼を知りたい。



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