サクマドロップス



あれから私は登校時間を変えた。



本当はいっぱい泰誠くんと接したい。


だけどあの無邪気に笑う可愛い女の子を思うと、彼に近づいてはイケない気がしてならない。



私が想い続ければ、


彼女が傷付くのが目に見えてる。


だから彼と会うことも全くといっていいほど、接触もなく過ごす日々。


彼と知り合ってから早2週間。



近寄らないと決めたのも私なのに…



「…会いたい。」



気持ちは中々消えてはくれなかった。



"無気力"



今の私にはぴったりな言葉だ。

あれからサクマドロップスも食べれていないし、


食欲も全くない。



「…はぁ…。」



恋ってこんなに辛いことって知らなかった。



クラスの女の子が失恋したって落ち込んでる姿をよく見ていたけど…



「こんなに辛いんだ。」



私も身をもって経験中だ。



授業の内容も一切入ってこない。



末期だ。
馬鹿馬鹿しい。


教科書をしまってさっさと帰ろう。




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