サクマドロップス
俺は覚悟を決めてとある高校の門の前へ赴いた。
下校中の生徒たちからは物珍しげな目でみられる。
それもそのはず。
だって俺は今、真雪ちゃんの通う白百合女子高校の前に居るんだから…
極度の緊張を解くためにサクマドロップスを口に運ぶけど、
味が全くわからない。
何個もクチに運んだけど
味が広がる前に噛み砕いてしまう。
それぐらい……
落ち着かない。
ちくしょう。
去年のインターハイよりも緊張する。
俺は今、
あれから会えなくなった真雪ちゃんに
自分から会いに来た。
このままじゃ絶対に駄目。
なんで居なくなったのかも知りたいけど…
このまま気持ちを伝えないで往くのは絶対に嫌だ。
不完全燃焼なんてスポーツマンシップに則れない。
だから俺は…
キミに大切な人が居たとしても、
好きって伝えるよ。