サクマドロップス
さぁどこに行こう?
行く宛を考えて歩いていると、
学校のそばの通りをウロウロ歩いている…
挙動不審な女の子がいた。
白い膝丈のワンピースを着て、長袖のカーディガンを羽織っている。
そこに赤いリボン付きの麦わら帽子をかぶって…
一言で言い表せば、
水泳部では存在しないであろう
The女の子っていう雰囲気の子だ。
手には紙袋。
その子は…
困ったように学校を見つめ、ため息を漏らす。
きっとこの高校に通う生徒に用事でもあるのだろう。
だから
声を掛けて
助けてあげようと思った。
「え…。」
強めの風が吹いたとき、
彼女の麦わら帽子が宙を舞う。
その一瞬で…
俺の時間は止まってしまった。
嘘だろ?
そこに居たのは、
ホームで会う…
俺の好きな人だった。