サヨナラなんて言わせない
「司は今人生で一番大切な岐路に立たされてるのよ。そのうちちゃんと彼の口から話があると思うから、とりあえず今は自分にできることをして待ってなさい。あんたが社長を支えるんでしょ?」

「カナさん・・・・。・・・・・はい!社長を信じて待ってます」

岡田はそれ以上は何も言わなかった。

俺の周りにはこんなに自分を支えてくれる大切な仲間がいる。
その想いに応えるためにも、とにかく今は自分のやるべきことをやるだけだ。


「でもやっぱり不安なので早く帰って来てくださいね?」

「あぁ。会社には来ないが仕事に関しては色々指示も出すから安心しろ」

「本当ですか?!あぁ~よかったぁ~!」

はぁ~っと吐き出した息と共に思わず出た本音に、俺たちは顔を見合わせて笑った。






これでもう何も気に病むことなく涼子と向き合うことができる。

たとえどういう結末になろうとも、俺は彼女との未来を信じる。

この3年を決して無駄になどしない。



俺の迷いは完全に吹っ切れていた。
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