サヨナラなんて言わせない

いつもは混み合っている駅の構内も今日は週末だからかまだ人がまばらだ。
改札を抜けると、はやる気持ちとは反比例して徐々に足取りが重くなっていく。

一秒でも早く彼女の元へ行きたいと思いながらも、
また拒絶されたらと思うと心が鉛のように重くなってしまう。


昨日彼女が見せたあの顔････
まるで3年前を彷彿とさせるようだった。
彼女と離れてからの3年、ずっと悪夢として見続けてきた。


失望、怒り、悲しみ、
あの涙には全てが込められていた。


二度と同じ過ちは繰り返さないと誓ったのに。



「････しっかりしろ。まだ終わらせるわけにはいかないんだ」


気が付けばいつの間にか止まってしまっていた足を叩いて鼓舞すると、
真っ直ぐ前だけを見つめて再び歩き始めた。