サヨナラなんて言わせない
「なぁに～、何やら楽しそうな話してるけど？」

「あっ、カナさん！カナさんもこのあと一緒に飲みに行きましょうよ！森さんが奢ってくれるんですって」

今日は一段と煌びやかに着飾ったカナの目がキラリと光る。

「あら、嬉しい～！できれば私は二人っきりで行きたいですけどねぇ」

そう言って森さんの腕に手を回してしがみつくと、森さんはやれやれと言った具合で苦笑する。

「是非にと言いたいところだけどなぁ。俺には愛するカミさんと子どもがいるからなぁ」

「あら～、それは残念っ！」

全く残念そうじゃない様子でカナは舌を出す。

「俺の行きつけの店でいいか？」

「森さんが行くところならどこでもいいっす！楽しみ～！」

一体今日の主役は誰なんだとツッコミたくなるくらいはしゃぎまくる岡田を見ていると、つくづく俺は人に恵まれていることを実感する。
人生の先輩にかけがえのない親友、そして可愛い後輩。
全ての人に支えられながら今の俺がいる。



そんな俺の話をいつか涼子に聞いて欲しい････



笑顔溢れる仲間を見ながら俺の想いはさらに強くなっていった。
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