サヨナラなんて言わせない
***
「森さん、おはようございます。今日はどうして俺が突然?」
本来仕事の入っていなかったはずの日曜。
これまで休日も返上でずっと仕事をしてきた俺だったが、カナの勧めとここにきてようやく自分でも少し生活を見直そうという気持ちになり、数年振りの休みとなるはずだった。
だが岡田づてに伝えられた今回の予定。
確かに俺も少しだけ今回の設計に関わっていたが、現地確認が必要なほどのものではなかったはずだ。
「あ~・・・・休日だったのに悪いな。あ-、実はだな・・・」
俺を見るや、いつもは豪快な森さんがどこか歯切れが悪くもごもごとはっきりしない。
らしくないその態度に腑に落ちない俺の疑問はすぐに解明されることとなる。
森さんの事務所から現場へと移動した俺を待っていたのは依頼主であるとある企業の社長だった。今回フランチャイズ店を出すにあたってその店の設計を俺たちに依頼してきたのだ。
だがそこにいたのは彼だけではなかった。
「あぁ、森さんに南條さん、今日はよろしくお願いします」
「こちらこそお願いします。気付いたことは何でもおっしゃってくださいね」
「・・・・パパ」
会釈した俺たちの先にいたのは社長と全く身に覚えのない若い女性。
俺は瞬時に嫌な予感がした。
さっと隣の森さんを見れば非常にバツが悪そうな顔で俺を見ている。
「森さん、おはようございます。今日はどうして俺が突然?」
本来仕事の入っていなかったはずの日曜。
これまで休日も返上でずっと仕事をしてきた俺だったが、カナの勧めとここにきてようやく自分でも少し生活を見直そうという気持ちになり、数年振りの休みとなるはずだった。
だが岡田づてに伝えられた今回の予定。
確かに俺も少しだけ今回の設計に関わっていたが、現地確認が必要なほどのものではなかったはずだ。
「あ~・・・・休日だったのに悪いな。あ-、実はだな・・・」
俺を見るや、いつもは豪快な森さんがどこか歯切れが悪くもごもごとはっきりしない。
らしくないその態度に腑に落ちない俺の疑問はすぐに解明されることとなる。
森さんの事務所から現場へと移動した俺を待っていたのは依頼主であるとある企業の社長だった。今回フランチャイズ店を出すにあたってその店の設計を俺たちに依頼してきたのだ。
だがそこにいたのは彼だけではなかった。
「あぁ、森さんに南條さん、今日はよろしくお願いします」
「こちらこそお願いします。気付いたことは何でもおっしゃってくださいね」
「・・・・パパ」
会釈した俺たちの先にいたのは社長と全く身に覚えのない若い女性。
俺は瞬時に嫌な予感がした。
さっと隣の森さんを見れば非常にバツが悪そうな顔で俺を見ている。