サヨナラなんて言わせない
「バカ!離せぇっ!」

涼子は大声で叫ぶ。
でも言葉とは裏腹に体はちっとも抵抗なんかしていない。

「嫌だ!もう二度と離さない!涼子、涼子っ・・・・!」


絶対に夢でなんか終わらせない!

毎日、毎日、悪夢にうなされ続けてきた。

この3年、君のことだけを考えて生きてきた。

この手にもう一度抱きしめる日を夢見て、
それだけを信じてひたすら走ってきた。

もう一度この手に触れた君を・・・・・・もう二度と離したりしない!!


「うぅ~~~~っ・・・・」

「本当に悪かった・・・許してくれ・・。・・・・お前を愛してる・・・愛してるんだ」


涼子、俺には君が全てなんだ・・・
もう二度と過ちは繰り返さないと誓う。

だから・・・だから、どうかこんな俺を受け入れて欲しい。




体を震わせて子どものように泣きじゃくる彼女をひたすら抱きしめ続けた。
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