サヨナラなんて言わせない
室内に静寂が戻ったのは空もやがて白く霞もうとし始めていた頃。
疲れ切った涼子は泥のように眠っている。
無理をさせてしまった自覚はある。
だが自分を止めることなどできなかった。
しみ一つない透き通った肌にそっと触れる。
確かなぬくもりを感じる。
「涼子・・・・・・」
彼女の頬に一粒の滴がパタリと落ちた。
それは彼女の頬を伝ってやがて下へと零れ落ちていく。
ぐっすりと眠るその体を引き寄せると、ぴたりと密着するように抱きしめてやがて俺も深い眠りの世界へと誘われていった。