サヨナラなんて言わせない
一気に心臓がざわざわと異様な音を立てて騒ぎ始める。
仲睦まじく笑顔で何かを話している二人から少しも目を離すことなく俺は駆けだしていた。
やがて立ち止まった男が女性の首筋に触れる。
それと同時に女の顔が一瞬にして真っ赤に染まった。
頭が爆発しそうなほどの負の感情が俺を覆い尽くす。
凄まじいストライドで一気に進むと、恥ずかしそうに男を振り返った女の体に手を回し、思いっきり自分の方へと引き寄せた。
「きゃあっ?!」
ボフッ!!
全く力の入っていなかった体はいとも簡単に俺の胸元に収まる。
「な、何?・・・・って、えっ?!」
わけがわからず後ろを振り返った彼女は俺の顔を見て驚きに固まった。
俺はひとまず彼女がきちんといてくれたことに安堵すると、すぐに目の前の男に鋭い視線を向けた。
「涼子は渡さないって言っただろ」
自分の声とは思えないほどの低い声で男に告げる。
だが、次に口を開いたのは男ではなかった。
「司・・・・なんでここに・・・?」
なんとも気の抜けた声でそう言う彼女にどっと力が抜ける。
涼子、君は俺の気持ちをわかっていない。
どれだけ不安だったか、生きた心地がしなかったのか。
仲睦まじく笑顔で何かを話している二人から少しも目を離すことなく俺は駆けだしていた。
やがて立ち止まった男が女性の首筋に触れる。
それと同時に女の顔が一瞬にして真っ赤に染まった。
頭が爆発しそうなほどの負の感情が俺を覆い尽くす。
凄まじいストライドで一気に進むと、恥ずかしそうに男を振り返った女の体に手を回し、思いっきり自分の方へと引き寄せた。
「きゃあっ?!」
ボフッ!!
全く力の入っていなかった体はいとも簡単に俺の胸元に収まる。
「な、何?・・・・って、えっ?!」
わけがわからず後ろを振り返った彼女は俺の顔を見て驚きに固まった。
俺はひとまず彼女がきちんといてくれたことに安堵すると、すぐに目の前の男に鋭い視線を向けた。
「涼子は渡さないって言っただろ」
自分の声とは思えないほどの低い声で男に告げる。
だが、次に口を開いたのは男ではなかった。
「司・・・・なんでここに・・・?」
なんとも気の抜けた声でそう言う彼女にどっと力が抜ける。
涼子、君は俺の気持ちをわかっていない。
どれだけ不安だったか、生きた心地がしなかったのか。