サヨナラなんて言わせない
俺の事情を全て把握している親友からの言葉はスッと心に入ってきた。

俺に好きな人・・・?
恋愛に何の希望も持てないこの俺が?
誰かを好きになる?

・・・・信じられない。
だが彼女と一緒にいるときに感じるこの胸のざわめきは何だ。
明らかにこれまで感じたことのないこの気持ちは・・・


戸惑う俺に更なる変化が訪れた。
彼女が俺に告白をしてきたのだ。
正直俺は戸惑った。
彼女に好意を抱いているのは紛れもない事実だ。
だがもし上手くいかなかったら・・・・?母のように変わってしまったら・・・?
そう考え出すと止まらなかった。

だがそれを思いとどまらせてくれたのも親友の言葉だ。
信じる気持ちをもたなければ何も変わらないと。

今目の前で柔らかな笑顔を見せてくれる彼女を・・・
俺は信じてみようか。
彼女となら新しい世界が見えてくるかもしれない。


俺は彼女の気持ちを受け止める覚悟を決めた。
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