サヨナラなんて言わせない
「・・・・何やってんすか?」

ギャーギャー騒いでいるうちにいつの間にか岡田が戻ってきていた。

「あ、岡田いいところに来た。カナさんに誰かいい男紹介してやってよ」

「えぇ~?!俺カナさんの好みなんて知らないっすよ」

「まずはイケメン。ここは外せないわね。あとは可愛いワンコ系がいいわね。私の言うことに尻尾振って喜んでくれるような・・・・・・・」

そこまで言って言葉の途切れた私を岡田が不思議そうな顔で見ている。

「どうかしたんですか?・・・ぶっ!!」

突然頬を挟み撃ちされた彼の口から情けない音が零れる。

「・・・・岡田、あんたよくよく見たらなかなかいい顔してるんじゃない?それにワンコ系ってまさにあんたのことじゃないの」

「・・・・え?えっ・・・・?」

ズイズイッと顔を前に出したのに合わせて岡田の体が一歩後ずさる。

「・・・・なんならあんたと一晩過ごすってのもアリなのかもしれないわね・・・・?」

「ひ、ひぃっ!!俺はそんな趣味はないっす!!!」

「おー、岡田。新境地を開くか?友人として応援するぜ」

「そうそう、何事もチャレンジあるのみじゃない?」

「ひ、ひぃいいいいいい~~~っ!!!」



やっぱり最後は岡田の悲鳴で幕を閉じる運命らしいわ。
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