サヨナラなんて言わせない
幼い頃から建築物を見るのが大好きで、将来は絶対建築関係の仕事に就くんだって思ってた。

大学を卒業して、ずっとずっと憧れてた森さんの事務所に入社できたのは今でも奇跡だったと思う。
森さんはその世界では超有名人だったから。

彼に憧れて門を叩く人は少なくない。
事務所は決して大きくないけれど、その分少数精鋭で仕事ができる人間だけが集まってるって専らの評判だったから、正直自分なんかが採用されるとは思ってもいなかった。




でもミラクルは起こった。




俺は一生分の運を全部使い果たしたんじゃないかと本気で思った。

あの憧れの森さんの下で働ける・・・・・!!


初日を翌日に控えた夜は興奮のし過ぎで一睡もできなかった。
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