‡私立王城学園‡
母さん達と別れた後、寮に帰らないと行けないことを思い出し、急いで戻った。



***


完璧に気配を消し、人通りの少なくなった廊下を歩く。



女装したままで。



だってこの後すぐ風呂に入るんだし、着替えるの面倒だから。



エレベーターで部屋のある階まで上がり廊下を進んでいくと俺の部屋の前に人影が見えて立ち止まった。



どうやら二人いるらしい。


声的にリクと流だな。



ってまずくね!?


部屋入れねぇし!



目の前で会話している二人を尻目にどうしようかと考える。



ん〜。



んン〜。



んンン〜。



無理。



諦めて流の肩を叩く。


流リ「!!!????」



二人がこっちを見る。



流「ピアノのお姉さん……?」



ラ「部屋の前で煩い。あと、入れない」


流「えっ?ここラキの部屋だよ!?」



ラ「だからラキだって……」



流「うぇえッ!?」



流が変な声を上げる。



リ「俺の努力が……」


あら、リクが拗ねちゃった。



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