friend
怖い…



もう一人にはなれない。


死ぬかもしれない。
そんな不安が胸をよぎる。
怖い
ただそれだけを思い続けていたあたしは、足取りが重かった。


怖いんだよ?
一人になったら殺されるかもしれない恐怖が―

襲ってくる。

助けて下さい。

神様、大仏様、仏様。

一人になったら殺されるかもです。

助けて下さい。

神様―



何度思い続けだろうか。
足を引きずるぐらい足取りが重かったあたしはいつの間にか家に着いていた。

ガチャ…
ドアを開けると、お母さんの声が聞こえてきた。
「おかえりなさい。」


お母さんはキッチンで夕飯を作っていた。

あたしはキッチンが見える居間でお茶を飲んでいた。

これも



一人にならない為だ。
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