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第二章 涙
夏が死んだ…


夏が死んだ事を認めたく無いからだろうか、夏のお葬式をやってる中自分だけ、涙を流せない。



「理央ちゃん…」
そう話しかけられたのは、お葬式が終わって帰る時だった。
「あ…夏のお母さん…」

夏のお母さんは夏の日記らしき本を差し出した。

「これは…?」
「夏の日記です…」
「どうして―?あたしに」「部屋を整理したらでて来たんです。夏との最後の思い出にして下さい」
「はい…ありがとうございました」


帰る時、あたしの足取りは重かった。
夏の日記を抱えてトボトボと夕焼けの道を歩いていた

夕焼けを見て思い出した。
この道は…夏と初めて会った日―
―2年前―

「うわー綺麗」
あの時は一人で夕焼けを見ていた。

「あれ岸本さん?」
「え?」
話しかけてくれたのが、夏だった―
「あたし、河崎 夏です!友達になろう?」

この一言で始まった―
あたしと夏の出会い―
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