手を…繋いで?
冬の終わりに。



僕たちは、出会った。



またしても、転んだ彼女。



場所は、そう。図書館。


バスケ部の僕には、



彼女はとてもちっちゃくて………



可愛かった。
…ヤバい。



散らばった本を集めている彼女を、ぼんやり見つめてしまった。



「だ、大丈夫ですか!?」



……心配されてる僕。
って逆じゃね!?



「全然っ!こっちこそ悪ぃ。よそ見してたし!」


……半分本当。後半は、ある意味…ホント?



「すみません!ありがとうございます。どうもありがとうございました!」



よろよろしながら歩いて行く彼女の後ろ姿を、僕は、ただ黙って見ていた。



ドキドキすることに気付かない位に、固まってしまった。



すぅっと消えゆく彼女が見えなくなると、



途端、



僕の心臓が暴れてる事態に気付き息を飲んだ。



「あー、スゲードキドキしてるわ。」



ふと、握り締めた手のひらを見つめ。



「何にも知らねーのに、こんな……」



手のやり場に困り、髪の毛をくしゃくしゃ!と掻き上げた。



「これって…恋とか?」


「…んな、まさか!だって一瞬だったし。マンガじゃあるまいし!」



いいえ、それこそが恋。


いつだって、出逢いは突然だし。



恋は、漫画よりもドキドキするもの。



「うーわ、どーしよ」



僕の姿が見えなくて、
良かった。



開花を控えた桜の蕾が、この恋心に染まったことは、知らなかったんだけど。



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