ONLY YOU～愛さずにはいられない～Episode.0~

私の不穏な空気を感じた。

「なんだろうね・・・康秋・・・浅見さんと部屋をショアしてるから」

「えっ？」

「浅見さんの住んでるマンション。利便性は良くてね・・・康秋は信兄の顔で住まわせてもらってんだ」

「ふうん」

虎さんは缶ビールを飲みながら唐揚げを口に運んだ。

「気になるんだったら、盗み訊きしてくれば？香波ちゃん」

「盗み訊きは良くないですよ・・・」

「でも、気になるでしょ？」

「そりゃ」

信吾さんと浅見さんは表に出た。


私は椅子から腰上げて、二人を追い駆けた。

二人はマンションの裏へと回る。私も二人を姿を追いかけて裏口に回った。

「浅見、康秋君のコトってなんだ？」

「・・・言いにくいんだけど・・・俺の友達から・・・どうやら康秋のヤツ…金を借りているらしい」

｢金？」

「塵の積もれば山となる。1000万だ」

「1000万？？」

「貸す俺の友達も金にはルーズなヤツだ。そのうち返すだろうと康秋に催促はしていない。それをいいことに、何度も借りて、その金額になった・・・信吾先輩の弟だから・・・面倒見てやっているけど・・・」

「浅見、ゴメン・・・」

信吾さんが浅見さんに腰を折った。

「信吾先輩が謝るコトじゃない。康秋自身が謝るコトだ。金の使い道は分からないが・・・18歳で世間知らずの子供だから多少は目を瞑っていたが、さすがにこれは・・・金残っているなら、少しでも返済するように…信吾先輩から言っておいてくれ」

「わかった・・・」