ONLY YOU~愛さずにはいられない~Episode.0~
「ただいま」

俺は気が重いけど、自宅マンションに帰った。

「お帰り、康秋君」

俺を最初に出迎えたのは、再婚して家族になったばかりの香波だった。

「ちょっと髪切った?」

「うん」

「あのね・・・康秋君」

「もしかして、お前知ってんの?俺の借金のコト」

「あ・・・うん」
香波は瞳を曇らせ、頷く。

「…1000万何使ったの?」

「自己投資だよ。自己投資」

俺は彼女の脇の素通りして、LDKに入った。

「康秋、待ってたぞ!!」

優しく温和な信兄が鬼の形相で俺を待っていた。

信兄が一番怒ると厄介な存在だったーーー・・・


「康秋・・・」

信兄の隣で、俺を心配する涼子さん。




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