ONLY YOU~愛さずにはいられない~Episode.0~
私は彼の眠るベットの端に腰を下ろす。

彼の顔元に置かれたスマホが光った。

ディスプレイの表示は父さんという文字が。

私は手に取って通話に出た。

ーーーーマネジャーには確認とったのか?康秋

私は黙って訊いていた。

康秋君に似たテノールの声。

ーーーーーひと晩寝るだけで50万貰えるんだ。仕事よりも楽だろ?康秋。訊いてるのか?康秋

この人が・・・
私の手からスッとスマホが奪われた。

「・・・マネジャーには明日確認取るから…寝かせてくれない?父さん」


ーーーーーー何だ…寝起きか…悪かったな・・・


「切るよ」

康秋君が目を覚まして私からスマホを奪った。

スマホを切り、カラダを起こすと背中越しに抱き竦めて来た。

「誰にも言わないでくれる?父さんと連絡とってるコト」

「えっ!?」

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