ONLY YOU~愛さずにはいられない~Episode.0~
「・・・父さんは散々、みんなに迷惑を掛けた。でも・・・俺の実の父親なんだ」

「康秋君が浅見さんの友人から借りたお金って・・・」

「父さんに言われるまま貸した金だ。俺は一銭も使っていない・・・」

「そう説明すれば、信吾さんだって・・・」

「・・・お金は社長に話をして立て替えてもらう。もう誰にも借りない」

「誰かにカラダ売るの?」

「そんなのは芸能界じゃよくあるコト」

彼はそう言うと私の肩口に顎を乗せた。

「華やかだけど…芸能界の裏の闇は深い…お前のカラダ熱いな・・・」

「康秋君のカラダが熱いんだよ。熱あるから・・・」

「俺が熱…熱いのは俺の方か・・・」

「だから、寝ないとダメだよ。康秋君」


彼は私の言葉に素直の応じて、布団の中に入った。


お父さんが冷えピタ、相良さんが毛布を持って来た。

「あら、ちゃんと寝てるわね・・・」

「さっき少しだけ起きたから・・・」

「そう・・・」

「今夜ひと晩、私が康秋君のそばに居ます・・・」

「何か…あれば呼んでくれ。香波」

「うん」




< 118 / 142 >

この作品をシェア

pagetop