ONLY YOU~愛さずにはいられない~Episode.0~
「後は私がやるわ…」

「そうだな…香波に任せる…」

康秋君はがっくりと肩を落とし、キッチンから出た。

「慣れないコトをすると…ダメだな…」

彼はダイニングテーブルの椅子に腰を下ろし、盛大な溜息を吐く。

「何か…焦げ臭いな…」

珍しく虎兄が朝早くから姿を現す。

「ゴメン…目玉焼き焦がしちゃったの…」

「えっ?
香波ちゃんにしては珍しいね…」


「俺が焦がしたんだ…」

「康秋が?」

「皆に迷惑ばかり掛けてるから…その…罪滅ぼししようと思って」

「康秋お前…仕事だって忙しいのに…」

「・・・でも、慣れないコトはしない方がいいね。香波に余計な仕事を増やしてしまった」

「私はいいのよ…」

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