ONLY YOU~愛さずにはいられない~Episode.0~
信吾さんと共にキッチンに立ち、夕食作りを手伝う。

カウンター型のキッチンの向うには楕円形の10人掛けのダイニングテーブル。


「お客様来ても、座れるように家族分以上の10人掛けのダイニングしたんだ」

「へぇー」

私の家族はお父さん唯一人。
でも、お父さんの仕事は不規則ですれ違ってばかり。
一人で食事をする方が多かった。


「皆で食べるのって賑やかでいいですね」

「うるさいだけだよ」

「そうですか?」

「ジャガイモ剥けた?香波ちゃん」

「い、いえ…後3つ残ってます」

「じゃ手伝おうか?」

信吾さんは既ににんじんを切って、玉ねぎを切り終えていた。


「手際いいですね」

「毎日、やってるから・・・」

「信吾さんが料理担当なんですね」

「まぁね。自宅下で仕事してるし・・・まぁ、ヒマはヤツはもう一人居るけど・・・」


信吾さんは、ダイニングルームの横のリビングスペースでスマホを弄る弄虎さんをギロリと睨んだ。
信吾さんの視線に気づかず虎さんはスマホに夢中。

「人には向き不向きがあるし・・・これからは私が手伝います」





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