ONLY YOU~愛さずにはいられない~Episode.0~
一番後ろの生徒達が答案用紙を回収して、教壇に立つ相良先生に渡す。


私は頭を抱え込んでいると、誰かに見られているような妙な感覚を味わう。


頭を上げて、正面を見ると相良先生とバッチリと目が合った。


銀色の眼鏡越しに見える相良先生の切れ長の漆黒の瞳が私をジッと射抜くように見つめた。


「!?」


その瞳には普段感じない熱い光を孕ませている。


一体何が起こったのだろうか?



テスト後は軽くHRを行い、12時に終わった。



私はリュックに教科書を詰め込んでいた。


普段はHRが終ればすぐに教室を出て、職員室に向かうはずの相良先生だけど…


今日は珍しく教室に残っていた。



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