ONLY YOU~愛さずにはいられない~Episode.0~
私の目の前に座る小さな男の子は私を大きな瞳でパチクリと見る。
「このお姉ちゃんは誰?」
「コイツが一番下の弟の淳之介(ジュンノスケ)だ」
「安田香波です。よろしく。淳之介君」
「僕の方こそよろしくね。香波おねえちゃん」
淳之介君は私をジッと見つめ、小首を傾げて天使のような笑みを浮かべた。
隣に座る相良先生と同じ母親から生まれたとは思えないこの愛らしさ。
私も微笑返した。
「ただいま」
カレーを食べようとしたその時、相良さんが帰宅した。
「お母さん、お帰り!!」
淳之介君が相良さんの足許に纏わり、甘える。
「淳之介、いい子にしてた??」
「ねぇねぇ、きいてきいて・・・お母さん。今夜はね。綺麗なお姉ちゃんが来てるんだ」
「えっ?」
私は立ち上がって相良さんにペコリと頭を下げた。
「貴方は・・・勝利さんの娘の香波ちゃん・・・よね」
「初めまして・・・父がお世話になっています」