ONLY YOU~愛さずにはいられない~Episode.0~
______________

______

私はマンションの前で康秋君を待った。
相良先生は陸上部の顧問だから朝練の為、先に登校した。



店から出て来た信吾さんと出くわした。

「康秋待ってるの?」

「はい」

「幻滅しただろ?香波ちゃん」
「いえ…あ・・・少しだけ・・・」
少しどころじゃない。
私、天城康雅のファン辞めたいよ・・・


「お待たせ」

「!?」

「おいっ!?康秋。それで…学校行くのか?」

「これなら、俺が天城康雅だって…バレないでしょ?」

康秋君はボサ髪に牛乳瓶底のような分厚い丸い眼鏡を掛けていた。

「行くぞ!!香波」

彼は甘めのボイスで私の名前を呼ぶとグイっと腕を掴んだ。

「行ってきます!!信兄」

「二人ともいっていらしゃい」


< 31 / 142 >

この作品をシェア

pagetop