ONLY YOU~愛さずにはいられない~Episode.0~
「元々、本名は不詳だから…誰も知らないんだよね・・・。
だから、こうして変装しておけば・・・バレる心配はない・・・」

「私にはバレてるけど・・・」

「それは仕方ないな・・・まぁ、香波が黙っていれば…大丈夫」

「それよりもこの手放してくれる?」

「んっ?あ・・・」

康秋君は私の右手から手を離した。


駅まで徒歩2分。電車では一駅。
二人で車内に乗り込んだ。
私たちと同じ桜坂高校の制服を着た生徒たちが康秋君に目を向ける。

「さっきから・・・なんか・・・俺見られてる気がするんだけどなぁ~。やっぱり、芸能人オーラは消せないのかな?」

「貴方のそのビジュアルが人目を引いてるのよ」

「何で?」

「キモいから・・・」

「キモい・・・?」

康秋君は言葉を失くしてしまった。


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