ONLY YOU~愛さずにはいられない~Episode.0~
「お前は居ないな・・・気配で分かった・・・」

「どうせ」

私は拗ねる。

「そのふくれっ面…面白い」
康秋君はクスクス笑う。


******

康秋君は、秋晴れの空を眺めながらベンチに腰を下ろし、私の帰りを待っていた。


「おせぇぞ」

息を切らせながら走って来た私を叱り飛ばす。

「貴方ね…人にパシリさせておいて…良く言うわね」

「俺・・・食堂の場所知らねぇし…それより、早くパンくれよ。腹減って死にそうだ」

「どうぞ!!」

私はムッときて、彼に頼まれた焼きそばパンを投げつけた。

「いきなり、投げんなよ!」

彼は慌てて手を伸ばし、焼きそばパンをキャッチした。

私は彼の隣に腰を下ろした。

「美味い」

康秋君は大口を開けて、早速焼きそばパンを齧った。

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