ONLY YOU~愛さずにはいられない~Episode.0~
「・・・康秋君?」

「・・・」

「ファンやめるのは冗談だよ。冗談・・・だから、そんなに気にしないで・・・」

「!?」

彼の上着の裏ポケットの中にスマホが鳴り響く。
慌てて、ポケットから取り出し、電話に出た。

「もしもし・・・迫田さん?ゴメン…今から行く・・・」

彼は電話切ると私を見た。

「仕事?」

「仕事」

康秋君は立ち上がると私の前に立った。

「何?」

「何って・・・」

「付き合ってやるよ」

「はぁ?」

「俺がお前の彼氏になってやると言ってんだ。光栄に思えよ」

彼はカラダを屈め、私の頬に手を掛けるとそのまま唇を奪った。

私は茫然と遠ざかる康秋君の顔を見た。

「じゃあな・・・香波。これは二人の秘密だ。悠兄たちには内緒だからな」

「えっ!?ええ~っ!?」

今、私・・・天宮康雅とキス・・・したよね!?
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