ONLY YOU~愛さずにはいられない~Episode.0~
校庭の喧騒に耳を傾けながら弁当を頬張る。

「お前のハンバーグ少し貰っていいか?」

「じゃ焼肉少し頂戴」

「いいぜ」

二人でおかずをトレードし合う。

「魔女って言うから・・・黒マントに魔法の杖を持ったおばあさんを連想したけど・・・可愛い魔女だな」

「うん。優華とおそろいで手作りしたの。可愛いでしょ?」

赤い光沢のあるの生地でドレスを縫い、黒の三角帽子は「ハンズ」で購入、黒のブーツと網タイツは手持ち。

「網タイツって色っぽい」

彼は私のスカートの裾を捲り、網タイツ越しに太腿を触って来た。

「ち、ちょっと…どこ触ってんの?」

「太腿だけど…何その先も触っていいの??」

「ダメよ!ダメ!!」

「そう向きになるなよ」

康秋君はコンビニ弁当を食べ終えると、今度はおにぎりを袋から取り出し、食べ始めた。

「まだ、食べる?」

「悪い??」

長い足を組み、おにぎりを食べながら、ペットボトルのお茶を飲む。

「それよりも残念だったな・・・俺と結婚出来なくて・・・」

「私は別に…結婚する気なんてなかったもん」

「俺はノリノリだったのに・・・」


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