ONLY YOU~愛さずにはいられない~Episode.0~
「その仮面…私にも貸してよ」

「ダメだよ。これは俺のモノだ」

「私だってテレ臭いのに…自分だけ隠すなんてズルい」

私は康秋君の持つ仮面を奪おうと手を伸ばした。

「膝の上の弁当落ちるぞ」

「あ・・・忘れてた・・・」

私は慌てて弁当の残りを平らげた。

「スイートポテトもあるぞ」

「今は要らない」

「そう」

彼はスイートポテトをコンビニ袋に戻した。

ベンチの背に靠れかかって、空を見つめる。

やはり、康秋君の一つ一つの仕草がとってもカッコよく見える。
本人は自然体なのかもしれないが、一般の私にはない孤高のオーラを感じるな。

「何?」

私の視線に気づき、横を向いた。

「やっぱり、俺のコトカッコいいなぁって見惚れていただろ?」

普通の男が言えば、何言ってんの?このナルシストって感じだけど。
康秋君が言えば、様になってしまう。


「ちょっと立って」

彼に言われ、ベンチを立つと彼も腰を上げた。



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