ONLY YOU~愛さずにはいられない~Episode.0~
そして、彼はマントの裾を揺らし、私の腰を抱き寄せた。

「捕まえた。君は俺だけのモノだ。クリスティーヌ」

「私は香波だよ」

「今宵、君はこの私の手の中に堕ちるのだよ」

「それって「オペラ座の怪人」のセリフ」

「まあね・・・俺の演技どう?いいだろ?」

「鬼気迫るモノがあった・・・」

「怪人・ファントムの顔は右半分醜い顔だから特殊メイクするらしい」

「へぇー」

カラダを引き寄せられ、唇を奪われる。

私も目を閉じて委ねた。テレている割には、彼って大胆な所がある。

短く軽いキスを何度も唇に落としていく康秋君。

最初は数えていたキスも数も数えきれなくなった。


「!?」

私の口内に彼の温かく湿った舌が入り込んでいく。おもわず瞑っていた瞳を開けてしまった。

間近に見える彼の顔。

彼も私の顔を見ていた。見つめながらも器用に口内を舌で散策し、私の舌を捕らえる。

舌を捕らえ、更に歯列を舐めてく来た。

長く蜜なキスに戸惑い、息が苦しくなった。

彼は顎を動かし、キスの濃度を巧みに変えて、腰を抱いていた右手を下へと滑らせていった。


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