ひとひらの雪
◆
その頃。爽北警察署の窓口に一人の少年が訪れていた。
「──あのー、すみません。」
「はい、どうしました?」
受付の女性が促す。少年は数秒何かを考えるような仕草を見せた後、徐に口を開く。
「……僕、見たんです。4日前に西沈で…」
唾を飲み込む音が聞こえそうな緊迫感。手に汗握り、確かに少年は言った。
「…逃げていく犯人の姿を、見たんです…!」
もうこの時、歯車は動き出していたんだ。わたし一人じゃどうにも出来ない程の力で。
それぞれの運命や想いが複雑に絡み合い一つの悲劇へと向かう。あの夏の日の激流のように、わたしやみんなの大切なものを飲み込んで。
ねぇ…晴流、斗真。どうすれば良かった?どうすれば正解だったのかなぁ?
今でもね、分からないの。どこで始まったのか、どこで狂ったのか。分からないんだ。
どうしたら、誰も死なずに済んだ………?
その頃。爽北警察署の窓口に一人の少年が訪れていた。
「──あのー、すみません。」
「はい、どうしました?」
受付の女性が促す。少年は数秒何かを考えるような仕草を見せた後、徐に口を開く。
「……僕、見たんです。4日前に西沈で…」
唾を飲み込む音が聞こえそうな緊迫感。手に汗握り、確かに少年は言った。
「…逃げていく犯人の姿を、見たんです…!」
もうこの時、歯車は動き出していたんだ。わたし一人じゃどうにも出来ない程の力で。
それぞれの運命や想いが複雑に絡み合い一つの悲劇へと向かう。あの夏の日の激流のように、わたしやみんなの大切なものを飲み込んで。
ねぇ…晴流、斗真。どうすれば良かった?どうすれば正解だったのかなぁ?
今でもね、分からないの。どこで始まったのか、どこで狂ったのか。分からないんだ。
どうしたら、誰も死なずに済んだ………?