ひとひらの雪
「え…」
"まだ見つかってない"
その言葉を理解するまでに数秒を要した。
「だって…三日も経ってるんだよね…?」
すぐに見つかった晴流でさえ重傷を負うようなあの状況で、三日も。
心臓の音がうるさいくらいに波打つ。嫌でも最悪な結末が浮かんでしまう。
堪えきれず顔を伏せた咲季の口から紡がれた言葉は、雪姫の心にとどめを刺した。
「一週間が経過した時点で…死亡扱いになるらしいわ。」
埋めようのない何かが音を立てて崩れていく。失われていくような気がした。
「!雪姫!!」
ふらつく身体でベッドから降りようとする雪姫を咲季は必死で抱き留めた。
「離して!捜さなきゃ!斗真を捜さなきゃっ!!」
「バカ!そんなんで行ったってあなたまで川に落ちるわよ!!」
「嫌っ、離して!!」
──死ぬなんて認めない。認めたくなんかない。自分達は五人じゃないとダメなんだ。誰一人欠けちゃダメなんだ。その為なら熱があったって、手足が無くったって捜しに行ってやる。