ひとひらの雪
◆
駅に辿り着くと、そこは優真の言う通りの状況になっていた。
『──只今、爽北駅と南鞠駅間にて起きました列車トラブルの関係で、一時運転を見合わせております。お急ぎの方には大変ご迷惑を──』
「そんなぁ…」
こういう日に限って電車が止まるなんてツイてない。まだ待ち合わせまで時間はあるが、それまでに動いてくれるだろうか。
「あれ、天城さんってここから二駅だっけ?」
「うんっ、そうだよ。」
「いーなー。あたしらみんな遠いから、まだ大分時間掛かるよー。」
ウンザリしたようなその言葉を聞き、雪姫はあることに気がついた。
──わたし、歩いて帰れないこともないんだよね…。
自転車通学が禁止の為今まで電車で通っていたが、普段雪姫が走っているランニングコースと距離は大差ないのだ。
途中で晴流達の高校にも寄れるし、一石二鳥かもしれない。
「…よしっ、わたし走って帰ってみる!」
「「マジで!?」」
リュックサックを背負い直し、スニーカーのつま先をトンッと馴らした。
「うんっ。じゃあまた明日、部活でね!」
軽やかな足取りで雪姫は駆け出した。
駅に辿り着くと、そこは優真の言う通りの状況になっていた。
『──只今、爽北駅と南鞠駅間にて起きました列車トラブルの関係で、一時運転を見合わせております。お急ぎの方には大変ご迷惑を──』
「そんなぁ…」
こういう日に限って電車が止まるなんてツイてない。まだ待ち合わせまで時間はあるが、それまでに動いてくれるだろうか。
「あれ、天城さんってここから二駅だっけ?」
「うんっ、そうだよ。」
「いーなー。あたしらみんな遠いから、まだ大分時間掛かるよー。」
ウンザリしたようなその言葉を聞き、雪姫はあることに気がついた。
──わたし、歩いて帰れないこともないんだよね…。
自転車通学が禁止の為今まで電車で通っていたが、普段雪姫が走っているランニングコースと距離は大差ないのだ。
途中で晴流達の高校にも寄れるし、一石二鳥かもしれない。
「…よしっ、わたし走って帰ってみる!」
「「マジで!?」」
リュックサックを背負い直し、スニーカーのつま先をトンッと馴らした。
「うんっ。じゃあまた明日、部活でね!」
軽やかな足取りで雪姫は駆け出した。