ひとひらの雪
「…それは一週間くらい前だよね?」
話を聞き終えた鷺沼の予想外の言葉に、雪姫は逆に驚いた。
「どうして…」
「警察の窓口にそっくりな双子が来てたら目立つからね。やっぱり君達だったんだ。」
ちなみに通り魔の被害にあった子達には長身でショートヘアという共通点があったらしい。雪姫は自分が襲われた理由にようやく納得出来た。
「ああ、話が少し逸れましたね。それであなたと別れた後、晴流くんと連絡を取った人を知っていますかね。」
「あっ、幼なじみの杉崎 琥太郎って子とバイト先の"爽北BOOKS"と連絡取ったらしいです。」
雪姫は先程チェックした晴流のケータイを開いて二人に見せた。
「…なるほど。後で伺ってみましょう。」
鳩山は二つの連絡先をメモすると手帳をしまい、最後に咲季と雪姫自身のアリバイを聞いた。
「では、何か思い出すことがありましたらこちらに連絡をお願いします。」
それぞれに手渡された名刺を受け取り、雪姫はスッと顔を上げた。
「…絶対、犯人捕まえて下さい。」
あまりに強い眼差し。二人の刑事はハッキリと頷き、立ち去った。