ひとひらの雪
─7月30日─
翌日、雪姫と奈々と琥太郎は爽北中央総合病院に揃って立ち寄った。昨夜晴流が意識を取り戻したと連絡を受けたのだ。
まるで一年前のよう。奈々の腕に抱かれている花束はやはり、霞草と青いスイートピーで。
「そういえば、なんでいつも青?」
「晴流くん…って、なんとなく青のイメージじゃない?とくに意味はないんだけど。」
「あぁ。言われてみればそうだねぇ。」
確かに、と思った。晴流にはちょうど、頭上に広がる空の色が似合う。
そんな他愛ない話をしている内に病室の前に到着した。
一つ深呼吸してから扉に手を掛ける。
──ああ、去年と一緒だな。何もかも。
またみんなで笑い合えるようにと、強くなろうと誓ったのに。
自分達は変われていないのか。それとも、
..
誰かが悲劇を繰り返そうとしているのか。
分からない。どちらにせよ、今は警察に頼るしかない。
「──晴流!来たよーっ。」
無力な子どもである自分に出来ることなんて、たかが知れているのだから。
翌日、雪姫と奈々と琥太郎は爽北中央総合病院に揃って立ち寄った。昨夜晴流が意識を取り戻したと連絡を受けたのだ。
まるで一年前のよう。奈々の腕に抱かれている花束はやはり、霞草と青いスイートピーで。
「そういえば、なんでいつも青?」
「晴流くん…って、なんとなく青のイメージじゃない?とくに意味はないんだけど。」
「あぁ。言われてみればそうだねぇ。」
確かに、と思った。晴流にはちょうど、頭上に広がる空の色が似合う。
そんな他愛ない話をしている内に病室の前に到着した。
一つ深呼吸してから扉に手を掛ける。
──ああ、去年と一緒だな。何もかも。
またみんなで笑い合えるようにと、強くなろうと誓ったのに。
自分達は変われていないのか。それとも、
..
誰かが悲劇を繰り返そうとしているのか。
分からない。どちらにせよ、今は警察に頼るしかない。
「──晴流!来たよーっ。」
無力な子どもである自分に出来ることなんて、たかが知れているのだから。