ひとひらの雪
◆
薄暗くなってきた帰り道、思い出したように琥太郎が言った。
「そういえば昨日の夜、家に警察の人達が来たんだぁ。」
彼の口をついて出た"警察"という単語に雪姫も奈々も一瞬面食らった。
「…もしかして、白髪のおじさんと短髪のお兄さん?」
「うん。あれ、知ってるのぉ?」
雪姫は一昨日のことを話した。刑事達の来訪、ケータイの履歴を確認し琥太郎を尋ねると言っていたこと。
「ごめん、伝えるの忘れてた。」
「ううん。それどころじゃなかったもん。仕方ないよぉ。」
いつものように無垢な笑みを浮かべる琥太郎。しかし今日は何だか無理をしているようにも見える。
すると無言だった奈々もポツリと口を開いた。
「…私の家にも来たわ。昨日。」
「えっ!?」
琥太郎は分かるが、どうして奈々の所にまで警察が行くのか。
だが冷静に考えてみればそれは当たり前のことで、二人の元気のなさからも容易に想像出来る。
「…疑われて、るの?」
──晴流を殺害しようとした、犯人として。
薄暗くなってきた帰り道、思い出したように琥太郎が言った。
「そういえば昨日の夜、家に警察の人達が来たんだぁ。」
彼の口をついて出た"警察"という単語に雪姫も奈々も一瞬面食らった。
「…もしかして、白髪のおじさんと短髪のお兄さん?」
「うん。あれ、知ってるのぉ?」
雪姫は一昨日のことを話した。刑事達の来訪、ケータイの履歴を確認し琥太郎を尋ねると言っていたこと。
「ごめん、伝えるの忘れてた。」
「ううん。それどころじゃなかったもん。仕方ないよぉ。」
いつものように無垢な笑みを浮かべる琥太郎。しかし今日は何だか無理をしているようにも見える。
すると無言だった奈々もポツリと口を開いた。
「…私の家にも来たわ。昨日。」
「えっ!?」
琥太郎は分かるが、どうして奈々の所にまで警察が行くのか。
だが冷静に考えてみればそれは当たり前のことで、二人の元気のなさからも容易に想像出来る。
「…疑われて、るの?」
──晴流を殺害しようとした、犯人として。