元、新撰組です
――――パリンッ
警戒しすぎだろうか??と首をかしげる音波の後ろで、何かが割れる音がした。
音のしたほうに向かうと、玄関に飾られていた花瓶の上部が床に落ちで割れていた。
『なんだ、花瓶か。……って、これは……』
残された下部のほうの花瓶に目をむけ、眉をひそめた。
花瓶には、何かによって斜めに斬られた後があったのだ。その周りにもなにか獣に引っ掻いたような痛々しい跡が残っていた。
『これが、獣に引っ掻かれた様な傷の正体ね。さっきの風は、気のせいじゃないわね』
さっき斬ったのは、おそらく相手様の攻撃の一つ。