元、新撰組です




恐る恐る、押入れの襖を開けると少し埃をかぶったダンボールが出てきた。




「僕がここに居たのは、居場所どうこうの問題じゃない。これを見つけてほしかったんだ。取壊し工事が進めば、綺麗な状態で届けることは不可能になると思ったから」



ムスッとする沖田を横目に、そのダンボールを空ける。




中には、たくさんのアルバムがダンボールいっぱいに入っていた。




ファイリングされていない一枚の写真を手に取る。




『これ、咲谷のご主人』




写真に写っていたのは、咲谷さんのご主人だった。




今と違って初々しい姿でぎこちなく写真に写っている、その横で大笑いをしているのは、お母さんのようだ。





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