元、新撰組です
『ダンボールの中身を大切にしていただけれれば、私は言う事はありません』
「はい。大切にします」
力強く頷くご主人の横で、奥さんも頷いた。
「それで、報酬のほうなんですが」
どうすればいいのかわからない、という感じに恐る恐る尋ねてくるご主人に笑顔で音波は対応した。
『報酬のほうは、家の取壊しが完全に完了してからで構いません』
「…わかりました」
頷くご主人。咲谷ご夫婦に視線を向け、ペコリと音波は頭を下げた。
『このたびは、我が鄙森家への依頼ありがとうございました!!再びご依頼を受ける事態にならない事を望みますが。その際はご贔屓に』
そう言って、音波は咲谷夫婦と笑顔で別れた。