元、新撰組です
「それから…………ありがとう」ボソッ
ボソリッと呟く沖田に、声が小さすぎて聞こえなかった音波は聞き返す。
『それから、の後なんていいました??』
「……なんでもない」
『すごく気になる!!』
その後、車を呼んで家まで帰った二人だが、帰る道中ずっと沖田は、先ほどのことを音波に聞かれても“なんでもない”と貫き通した。
なんでもないって言葉、便利だな……。音波は家に帰って一人でそんなことを考えていた。