『好き』って言っていいですか?


「あのさ~ 君
松井とか言う名前じゃない?」


・・・・・


「えっ?」


「いや 知ってる人に似てるから」


えーい!どうにでも なっちゃえ!
ここは 開き直るしかない。


「確かに…松井ですけど
何か?」


それでもあたしは 拓斗の顔を見ない。


見たらバレそうな気がして。。。


「声なんか ソックリなんだけど
お姉さんとか居る?」


「居ますけど…何か」


「お姉さんって 理名って名前じゃない?」


「そうですけど
姉と知り合いですか?」


「まぁね お姉さんに聞いてみて
竹下拓斗って知ってる?って」


「分かりました 聞いてみます」


ますます 言えなくなっちゃった。


こんな嘘までついて。。。
後に引けなくなっちゃった。。。


手が 震え グラスを持つのもやっとのこと。


そこへ 英寿が
「遅いから 来てみれば
何してんの?」


と トレーに入れてるジュースを持ってくれたのだ。



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