君の居ない世界は。
時計が、秒針を刻む音しか聴こえない。
リビングで、私は一人で食事をする。
もう、何年も続けてきたことだから今さら何も思うことはない。
「いただきます。」
静まり返ったリビングに、響く私だけの声。
ママは、仕事が忙しいからご飯を作ってくれることに感謝しないといけないんだ。
「ごちそうさま…」
けどさ…一人で…独りぼっちで食べるご飯は、美味しくない。
ママ…早く帰って来てよ…。
寂しい…よ。
ー♪
いきなり、鳴ったLINEの通知音にびっくりした。
時計に目をやると、11時。
外は真っ暗、つまり夜の。
< 3 / 6 >

この作品をシェア

pagetop