不道徳でも愛してる2〜もうひとつの愛のカタチ〜【短編:完結】
…本当に、本当にごめんなさい。
何度謝っても足りないくらい
本当なら私はあなたに罵倒されても
仕方ない事をしてしまったのに…。
「…嘉之さん…本当にごめんなさい…。
あなたに罵倒されても
仕方がない事をしてしまったのに
なのに…自ら結婚式に来てくれるなんて…。」
私は椅子から立ち上がると
ブーケをもったまま涙を堪えて
私の前に立つ紳士
柊嘉之(ヒイラギ ヨシユキ)に
深々と頭を下げた。
嘉之さんは私からの謝罪に無言のまま
近くにあったソファーに腰掛けると
『…里依奈…泣かないで。
折角の化粧が崩れるからね。
それに…もういいんだ。
僕も君を傷つけてしまったし
救ってあげられなかったから
君を罵倒する資格はないよ。
もうあの時から
いや…あの時より前から
君の心は既に僕から離れていたし
今さらもう君は僕の元には
帰って来てくれないのだからね。』
そう時々苦笑いを浮かべて
はぁっ…と軽く俯いた嘉之さんは
大きなため息を吐いた。