不道徳でも愛してる2〜もうひとつの愛のカタチ〜【短編:完結】
『…この間、燎次から電話があって
話を聞いたよ…。
……婚姻届を出したって。
だから、里依奈はもう
『森園』になっていたんだってな…。』
その言葉に私はコクンと頷いた。
『…柊のオッサンには俺から話すから
リーナから電話するなよ。』
先日入籍を済ませて私の夫となった
森園燎次(モリゾノ リョウジ)から
何度も約束させられた事で
私からは伝えていなかった。
だから嘉之さんに会うのは
本当に久しぶりだった。
「…ごめんなさい。黙ってて。」
入籍を黙っていた事に私は謝ると
『…いや、いいんだ。
どうせアイツから
『柊のオッサンと連絡取るな。』
とでも言われていたんだろ?』
そう聞かれて再びコクンと頷いた。
『…ハハハ…そうだと思ったよ。
アイツは独占欲が強い男だ。
会う度に僕をいつも睨みつけてきたり
敵意剥き出しだったが
あんなにまでとはなぁ…。』
そう言って嘉之さんは一瞬笑った後
何かを思い出すように言葉を続けた。