失 楽 園
┗姉さんの裏切り
都会って言っても、
ちょっと郊外に行けば
そこには緑豊かな風景が広がっていて、
日本じゃ絶対に味わえない空気、
風を全身に受けて、
僕は姉さんと過ごす日々を満喫した。
「……夢みたいだね、恭ちゃん」
「…うん。そうだね」
「私、こんなところに暮らしたいなあ」
「……うん、そうだね」
知り合いなんてひとりもいない、
外国での暮らしは、
予想以上に厳しいものだった。
たまに日本語を操れる
アメリカ人とも話したりしたが、
通じる言葉には限界がある。
そして僕は英語の勉強を始めた。