失 楽 園




僕らはケイタの家に
世話になることになった。

ケイタは大きな家に
ひとりで住んでいて、
スシ屋は道楽でやっているのだと
豪快に笑っていた。

姉さんと僕はケイタのスシ屋で働き、
英語を学び、毎日を過ごした。


 しあわせだった。


たとえそのしあわせが、
卵の薄皮の上を
歩いているような危ういものでも。


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