失 楽 園




姉さんが僕を跳ね除けるくらいの
本気の反抗をしたら、
僕は止めるつもりだった。

 本当に、ケイタを愛しているのだと。

それなのに、姉さんは反抗しなかった。

 僕にされるがままだった。


「……どうして……ど…し、て…」


僕がそう言いながら、
拳で姉さんの胸を何度も叩くと、
姉さんはやんわりと僕の頭を抱き締めた。


「恭ちゃん……ごめんね、ごめんね……」


姉さんは何も語らずに、謝るだけだった。

 そして僕は、姉さんを抱いた。



「ねえ、さ…っん…」

「あ、あぁ……恭ちゃん…」


甘くて甘くて甘ったるい、
姉さんの声が僕の脳内を犯していく。


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